東京地方裁判所 昭和43年(ワ)6867号 判決
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〔判決理由〕(3) 松本市滞在(転地)
中の通院関係
(イ) <証拠>によれば、原告は昭和四二年四月一〇日から同年六月一〇日までの六二日間に八回松本市所在の宮沢内科医院に通院したことが認められるが、<証拠>によれば、同医院においては、高血圧、慢性胃炎、腰椎骨粗鬆症、変形性両側膝関節症等の治療がなされたが、頸椎捻挫の治療は本件事故と相当因果関係があるものとは認められない。
次に、<証拠>によれば、原告は昭和四二年四月一日から同年八月三一日までの間の一五三日間に一一六回長野県南安曇郡穂高町所在の丸山整骨院で頸椎捻挫および腰椎捻挫の治療を受けたことが認められるが、そのうち腰椎捻挫については本件事故との相当因果関係は本件全証拠によつても認められない。
(ロ) <証拠>によれば、原告は丸山整骨院に治療費として九万二八七〇円を支払つたことが認られるが、治療を受けた頸椎捻挫および腰椎捻挫のうち、本件事故と相当因果関係の認められるのは、前者のみであり、したがつて、右治療費のうち被告に賠償せしめるべき全額は、半額の四万六四三五円を以て相当と認める。
(ハ) 宮沢医院における治療は、(イ)説示したとおり本件事故との相当因果関係が認められないので、その治療費の賠償は認められない。
(ニ) ところで、<証拠>によれば、原告は昭和四二年二月三日退院後も順天堂医院に通院して治療・脳波の再検査等を行なうことを同医院としては予定していたのに原告はその後同医院外科に通院していないことが認められ、右事実に照らし、順天堂医院で転地療養を勧められた旨の<証拠>は措信し難く、本件全証拠によつても転地療養の必要性は認られない。したがつて、東京・松本間旅費は本件事故との相当因果関係は認められない。次に、<証拠>によれば、原告が滞在した松本市所在の横山方から穂高町所在の丸山整骨院まではバスで往復一二〇円かかり、一一六回で計一万三九二〇円を要したことが認められ、右の交通費は本件事故と相当因果関係のある損害と認められる。その他の交通費は本件事故と相当因果関係があるものとは認められない。
(ホ) 転地療養の必要性が認められないことは(ニ)で説示したとおりであるから、転地療養のための下宿賄費は本件事故と相当因果関係のある損害とは認められない。
(五) 弁護士費用
以上により、原告は(一)ないし(四)の合計一八〇万一八三七円を被告に対して請求しうるものであるところ、弁論の全趣旨によれば、被告らはその任意の弁済に応じないので、原告は弁護士たる本件原告訴訟代理人に本件訴訟の提起とその追行を委任したことが認められる。そこで、本件訴訟の経緯に鑑み被告に賠償せしめるべき金額は一八万円を以て相当と認める。
四 (結論)
よつて、被告は原告に対し一九八万一八三七円およびこれに対する事故発生の日である昭和四二年一月一日以降支払済みまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払義務である<後略>。(篠田省二)